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好きな漫画のこと「マチネとソワレ」 [まんが]

 好きな漫画ご紹介記事シリーズ、今までわりと平和な漫画を多くご紹介してきた……ような気がするのですが、基本的に今の私がよわよわなため理不尽な暴力とかグロとか苦手で、年取ってからは避けているのが原因ですね。

 昔はわりと大丈夫だったんですけど、最近はめっきりヨボヨボです。

 さて、そんなヨボヨボが「同じ作者の魔王もWaltzもヴァニラフィクションもとてもとてもよかったけどもうぐっちゃぐっちゃ死ぬやつは手を出しづらいな……」と思って5巻出るまで買ったまま(買うには買う)置いておいた「マチネとソワレ」を今回推したいと思います。大丈夫だったよ。今作は演劇漫画なので暴力描写は主体じゃなかった。苦手な人でも今回のこれはいけると思う。一箇所タコ殴りシーンがあってそこがだめだったらごめんだけど薄目でいけると思うのでいってくれ。


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 では基本情報から。

 「マチネとソワレ」大須賀めぐみ・著 ゲッサン少年サンデーコミックス刊、月刊少年サンデー連載中。2019年3月現在5巻まで。

 ゲッサンのWebサイトに紹介ページがあります。1話の試し読みも出来ますのでぜひ。


 あらすじは。凄まじい演技力により大成した舞台俳優の兄を持つ、そこまで他者からの評価はすごくない舞台俳優の弟が主人公。兄と比べられ、兄の2号と呼ばれ、親からも兄ほど愛されず、ひたすら兄の圧力を背負った人生を送っていますが、ある日突然なにもかもがちょっとだけ違う世界(並行世界)に移動してしまいます。でも普通のパラレルワールドものと違って、世界移動の原因の追求や帰還については主人公的にどうでもいいというのがキモです。ただ「兄と兄弟扱いされない、自分が存在しないこの世界でなら兄を超えられるのでは!?」と狂気的なまでにひたすら演劇に突進していく弟の物語。

 主人公は承認欲求がやばい方向に溢れてるし、自信があったりなかったりの差が激しいし、演技と兄に対してちょっと常軌を逸しているし、前髪ぱっつんでかわいい顔してるのにかわいいとはとても思えないアレです。兄は輪をかけて演技に対して狂気垂れ流しだし、重要な脇役も周囲の人々も頭のネジが常に外れっぱなしの人が多いです。すごいです。怖い人が多いというよりも、人が怖い。濃いです。

 展開的には、ガラスの仮面のように色々あったあげくの舞台の上ですっごいことになる弟、というカタルシスがガンガンくるので非常に盛り上がります。弟、だめな部分といい部分とあって、いい部分がゾワゾワっとくる気持ちよさなんですよね……演技モノ漫画はこれがないとね!という嬉しさもあり。


 脇キャラは詳しく書くとネタバレになっちゃうため、一番重要な脇役については何も語れないので本編読んでください。夢破れ挫折したヤクザなのですごく……すごい。ぐっときます。彼が一番地に足がついて見えるかな……いやそうでもないか……。

 ヒロインといえるほどのヒロインはいないのですが、唯一出番の多い脇役女子がかわいいです。舞台俳優ファンでP○xvでオメガバース設定の夢小説書いてるオタク。読者との親和性が多分高いなこれ……というやつですね。5巻からの部分では「2.5次元舞台」、つまり漫画をイケメンで舞台化したやつが題材なんだけど、そういうのに触れてる人たちは多分すっごいわかる……ってなるやつだと思います。「もともとのファンである読者は舞台化が不安、配役が決定し扮装した写真が発表されて見た目が腑に落ちてようやく応援してもいいかもと思えるようになる」とか。「本編で出番ないのに二次創作で人気爆発したキャラは派生も多いため、攻っぽくしても受っぽくしてもどうやっても何やっても大多数にとって解釈違いになるし、そもそも公式に二次創作逆輸入はしてほしくない」とか。それな。としか言いようのないあれこれが描かれていて……身にしみますよねこれね……作者に対する信頼度が上がるよね……。


 主人公が演劇と兄しか見てないので、ひたすら演劇と兄の話になってますが、ちらりちらりとパラレルワールド転移についての描写が挟まれるので、この先掘り下げられるんだろうなわくわく!とSF脳による期待もあります。ヴァニラフィクションは「ち、力技……! しかし圧倒的な緊迫感と迫力による謎の説得力……!」って殴られる部分が面白かった(いやそれ以外も面白かった)けど、今回はどんなかなーというのも楽しみのひとつです。


 作者の大須賀めぐみ先生を知ったのは、Waltzの蝉が異様にかわいくてすっさまじいというところからでしたが、蝉は殺し屋なのでだいぶおっさんの首がかっきられてるとことか見ないといけなくて、可愛いキャラ好き女子にすすめづらいという点があったのですよね。(いや大量の血まみれ死体を乗り越えてでも蝉の可愛さを知ってほしいんですけども)

 今作は多分、個性的で勢いがあって面白い漫画が好きだ!という人にはがっつりオススメ出来るので、ぜひ手を出してみてください。









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