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十三機兵防衛圏のプロローグをやったはなし。 [だらだら]

 夏コミに落ちたので、時間が出来ました。

 とはいえ仕事が今までの人生で一番たいへんなことになっているので、気持ちと身体には余裕がありません。なにか脳みその稼働率が5%くらいでもどうにかなるゲームとかをだらだらソファに埋もれてやりたいな……と思っていたところちょうどいいゲームを見つけはしたのですが。

 でもそれをインストール中に気づいた。

 せっかく買った「十三機兵防衛圏」の有料体験版、手付かずだ! ということに。というわけで、ゆるゆるゲームの前に遊び始めてみたら非常に楽しかったので、そっちのオススメをします。いまさら。

 以下、体験版のネタバレが含まれますので「体験版が有料だとちょっとやる気出ないけど、面白いなら内容くらいは知りたいかな……」という人向け文章。

 では基本情報から。「十三機兵防衛圏」、2019年秋発売予定のPS4ゲームです。ヴァニラウェア作品。

 とりあえず、神谷盛治系の作品(特にオーディンスフィア、朧村正など多人数が絡むシナリオのやつ)が好きならこんなの読んでないで有料でも体験版を買ってやってください。(プレイ時間3時間くらい)


 普通の街が突然、超大型のなにかに襲われるのを、多分「機兵」と呼ばれる巨大ロボに乗った少年少女が守るんだろうな……という内容です。プロローグは13人の少年少女の物語の導入なので、乗ってるシーンは少ないし、乗って何やってるかはまだよく描写されてません。予告編的な感じですね。

 学生服、セーラー服、商店街、バス停、古びた校舎、放課後の教室に差し込む夕日、クラスメイトとの寄り道……そんな普通な世界観に突如差し込まれる異質な描写の数々。しかしその異質なものらも、レトロSFが根底にあるのかよく知っている懐かしい(ちょっと古い)ものが多く、日常もSFもひっくるめて全体的にノスタルジーを感じさせる空気感です。


 レトロと言いましたが、多分ストーリーのメインは昭和の時代。ビデオテープの番組録画を教室で貸し借りし、道端には公衆電話がたくさんあり、誰も携帯電話は持っていない。……40代の私はリアルタイムで青春を送っていましたが、今の若い子がやるとどう感じるのかな……。

 そんな世界に、令和の子や、第二次世界大戦中の子、はるか遠い未来の子が混ざり合い交差し干渉する、そんな様子がプロローグでは描かれています。どうやら戦いには、様々な世代が関わり合っているらしい……というあたりは重層的な時間跳躍物語を感じられてワクワクしますね。


 グラフィックは二次元、奥行きがうっすらある程度の左右移動、近似色でまとめられたしっとり柔らかい絵柄で目に優しいいつものヴァニラウェアです。いやいつもより更にしっとりしてるかな。

 焼きそばパンは美味しそうだし、2Dキャラの表情差分や動作はいつもどおりハチャメチャに魅力的だし、いつものヴァニラウェアバンザイです。いつものヴァニラウェアを知らない人には「細かいアニメーションがキャラの個性をとてもよく表現していてキャラがどんどん好きになる動き方をする」とお伝えしておきます。

 ヴァニラウェアが屈指の描写を誇る「食べ物要素」がプロローグだと見えなかったのがな……あるよね本編で……あってくれ……昭和ならクリームソーダとかあってほしい。アイスから段階的に減っていくやつ。


 13人の学生が大型ロボに乗る……人数が多いので、その内容だけ知ったときは「ライジンオー……いや、ぼくらの、かな……」と思ったのですが。13人それぞれがそれぞれを知ってはいるけれど(知らない子もいそうだったけど)、仲良し13人組なわけでは決してなく、それぞれの人間関係とそれぞれのぜんぜん違う物語があり、まったくもってぜんぜん一本ではないやつのようです。ロボもひとり1体っぽいし。オーディンスフィアよりもさらに多角的に見ることになりそう。


 多角的に見せてくれる13人は、人物もその物語もカラーが違って、同じ舞台だけど全然違う系統の内容。これがマンガ連載だったら掲載誌バラバラって感じです。

 全員非常に魅力的だったので、それぞれのざっくりした内容を並べてみますよ。


◆鞍部十郎(CV 下野紘)

 正統派主人公。プロローグで最初にプレイできるのも、キービジュの中央にいるのもこの子なので、本当にメインの主人公なのでしょう。適度に明るく穏やかな男の子で、怪獣映画が大好き。でもなんだかこの世界に違和感を感じていて、ぼんやり浮いたような気持ちでいます。そんな中、保健室で見かけた自分と同じ顔、別の名字の男子のカルテ。そこに書かれた投薬とはなんのことなのか。自分を気にかけてくる美人保険医はなんなのか……という非常に物語の導入らしい感じの子です。プロローグを全員分プレイすれば、彼がなんなのかの見当はつきますが、今後彼がどうなるかは全然読めないところ……がんばれ主人公。


◆冬坂五百里(CV 種崎敦美)

 眠れるかわいこちゃん。毎晩リアルな夢を見続けていてよく眠れず、教室ではつねに居眠りをしている子。導入部分、食パンくわえて遅刻遅刻~!って走ってっていい感じの男の子にぶつかる、というスーパースペシャルな登場をしたので、多分正ヒロインなのかもしれません。プロモーションの出番も多いし印象的だし(しかしそういうの見て想像してたより本人は元気でかわいかったし)、どういう内容になるんだろうか……。


◆網口愁(CV 鈴木達央)

 ナンパイケメン枠。お金持ちの子で一人暮らし、ゲーム機とかあるので部屋がたまり場になりがちな、調子のいい男子。バイクも乗れるしいろいろ器用な子っぽいけど、普通の優しそうな男子かな……今のところは……。この子もリアルな夢を見続けている子です。そして彼の物語は、真夜中にテレビに写った少女が画面の中から「助けて……」と訴えてくるというそれこそ昭和の少年漫画のような導入で、どう機兵が関わってくるのか楽しみ。


◆薬師寺恵(CV 内田真礼)

 黒髪ロングメガネ美女。キツく見えるのでクラスメイトには敬遠されているが、実はバリッバリの少女漫画趣味な乙女……という「なるほどそれね」となるアレ。ある日通学路の途中で突然、巨大ロボが落ちてきて、中からひとりの少年が出てくる……怪我をしていた彼を介抱したものの、彼はその後彼女の記憶を失い別人として暮らすことに……という人魚姫ストーリーです。定番だからこそ、その気持ちのやり場がどうなることやら。厄介そうな女子は大好きですよ!


◆比治山隆俊(CV 石井隆之)

 バンカラ従軍学生。第二次世界大戦中に機兵作戦に従事する兵士でしたが、その作戦の要となる機兵を開発した博士の娘に一目惚れ。でも彼女は実は未来から来た子で、正体を問い詰めようとした彼は一緒に知らない時代に飛ばされてしまいます。博士の娘の本当の思惑に協力すれば、元の時代に帰れるようですが……。ちょい尊大めな彼のかわいい一目惚れからスタートするタイムトリップストーリーですが、複数の時代をまたぐこと、そもそも過去の世界で機兵搭乗予定だったことと、かなり本筋に近い内容になりそうでドキドキです。


◆鷹宮由貴(CV 小清水亜美)

 麻宮サキです。なんの因果かマッポの手先。残念ながら彼女を引き込んだ組織は警察ではないのでスケバン刑事ではないのですがまぁスケバン刑事のオマージュキャラです。刑務所にいる父親の安全をたてに脅されてよその学校に潜入するんだからそのまんまですね。潜入先の学校にいる幼馴染の子とちゃん付けで呼び合ったり、ナンパ男子に喧嘩から逃げるためバイクの後ろにのせられたりと、青春がかわいい感じです。突然学校に来なくなった幼馴染は、組織による誘拐なのかそれとも……という地に足の着いたスケバン刑事ストーリーですが、組織はそもそも機兵の組織なのでどう展開していくんでしょうかね。楽しみです。


◆関ヶ原瑛(CV 浪川大輔)

 記憶を失い倒れた少年。目覚めてみると傍らには女の死体。なぜ自分はここに……この女を殺したのは自分なのか……? 周囲には武器と謎の書類。しかしそれらを見ても何も思い出せない……という定番中の定番の導入。記憶がないし、記憶があったころの自分からの謎のメッセージもあるし、他キャラとのからみも謎が多くて一番どんな子かわからないですね。特に他キャラのプロローグで印象的な動きをしているので、重要人物っぽい。謎。


◆南奈津乃(CV 佐倉薫)

 元気な陸上部、明るい体操着キャラ(昭和なのでブルマ)。多くのキャラの友人役として登場している子で、活発でUFOや宇宙人が大好きな子です。ある日突然、謎の小型ロボと遭遇。宇宙人だ! 匿わなきゃ! 協力するよトモダチ! な盛り上がりで、何も知らないまま機兵に関する重要な何かを時空を超えて探しに行くっぽいです。時代的に「E.T.」が流行したあたりなこともありそれっぽい話をしていますが、見た目はピクサーのウォーリーです小型ロボ。本人のストーリーも楽しそうですが、他の子の物語に結構からんでそうなのが気になります。


◆三浦慶太郎(CV 石川界人)

 キャラビジュ発表のときから「ゲートル巻いてるなこの子……」と気になっていましたが、第二次世界大戦中の子でした。硬派で真面目な、いかにもな男の子です。学徒動員されて機兵作戦に参加。ちいさな妹を同級生の家に預けていますが、休暇で戻ると町は空襲で火の海……かろうじて妹の無事を確かめたものの、米軍と戦うためには機兵に乗らねばと戦場へ向かう……という戦争物語な導入。妹想いでシリアスな子なので、時空を超えた彼がどんな感じか本編でもっと見られるのが楽しみです。


◆如月兎美(CV M・A・O)

 長い三つ編みおさげにメガネ、小柄でキュートな現代少女。名前はとみちゃんですが、うさみちゃんという渾名がお気に入り。令和の子ですが、突然昭和に連れてこられ「元の時代が滅んだとか言われても信じらんない」な状態。両親が心配だし戻りたいけど戻してもらえず、どうにか昭和で奮闘しますがある日突然クラスメイトと共に滅んだ街へと飛ばされて……ここは自分の世界なの? 一体何がおきているの? という導入。今の時代にプレイするならこの子の立場が主人公でもおかしくなさそう。


◆緒方稔二(CV 関智一)

 こってこての昭和の不良。喧嘩上等でめっちゃ強いし、なにげに他のキャラの話にもよく出てくる、交友範囲広めのリーゼントくんです。彼の導入は至ってシンプル。乗った電車が巨大な化物に襲われて吹っ飛んだと思ったら、時間が巻き戻ってまたホームにいた……もういちど乗ったらまた吹っ飛び、そしてまた巻き戻る……というタイムループ主人公。ループから抜け出せるのか、機兵はどう関わるのか。近年流行しもう落ち着いた感のあるタイムループですが、昭和の不良リーゼントくんが主人公だとどうなるのか気になります。


◆東雲諒子(CV 早見沙織)

 しっとりじっとり、あなただけを見つめています……な献身少女。綾波レイ並にナチュラルに包帯巻いてます。他の子たちの物語にも大抵出ている「組織」、表向きは造船や家電の大企業(全員がモデルに心当たりのあるアレですね)で、機兵に深く関わっているらしい昭和の組織なのですが。そこの一員でいろいろ指揮をしたりしているっぽいメガネスーツ大人男性に、彼女はひたすら惚れ、想いを訴え、すべてを彼に捧げ、彼のために戦っています。男性からやんわりたしなめられても引きません。ある日戦いの中、彼の死に激高した彼女は裏切り者を手に掛けようと……という……という……? なんかちょっとニュアンス違うけどまぁこんなかな……気になった人は体験版やってください。こういう子がいると、変な方向に物語がうっかり動いたりするよね……楽しみです。


◆郷登蓮也(CV 福山潤)

 メガネで理知的な男子。彼の導入はちょっと規模が大きく、彼が直接「世界の滅亡と迫る敵と防衛と機兵」に深く関わっていることがはっきり描かれています。令和よりさらに未来の子。データは改ざん出来るから信じないとメモ帳を愛用しているお硬い子ですが、時を超えて戦っている最中で未来の自分らしき男の発する意外な言葉を聞いてしまう……。すべてがひっくり返るのか、或いは……という一番情報量の多い導入で、プロローグ(13人のうち最初は十郎が、それ以降はクリアするたびに数人ずつ開放される)の中で最後に開放されるのも納得。ゆっくり読んだけど多分まだ理解出来てない……本編やりたいです。


 ふー。13人。多いね。多いけど、全員ぜんぜん違う物語の主人公であることが、伝わりましたでしょうか。そしてこれらはプロローグであり本編があるわけで、全部のキャラの最後に「そして巨大ロボに乗ります」がくっつくわけですよもれなく。

 これが一本になるのか、13本でいくのか。どうなるんだろう本編。

 多くのキャラの物語に関わってくる、メガネでスーツの組織の男、ヴァニラウェアっぽいボディラインの女性保険医、謎の少年、すべての災厄の根源とされる未来の脱獄囚、そして昭和のクラスメイトのぽっちゃり女子(造形が丁寧だったので主人公の一人かと思ってたら違った)と、脇役も盛りだくさんです。これ以上語るとネタバレが大きくなるのでここらでやめときますが、気になったらぜひ有料だけど体験版やってみてください。あるいは本編を楽しみにしててください。

 早く! 本編! やりたい! 発売延期がちょびっとで済みますように!(延期しないとは思っていない)

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