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機龍警察、その順番。 [がんばって書いたやつ]

機龍警察。

月村了衛・著、早川書房・刊。

私が今、世界で一番好きな小説シリーズです。

(二番目はダイアナ・ウィン・ジョーンズのダークホルムのシリーズです)


私達が今いる現代日本とほぼほぼ同じ、でも戦争やテロ等に使う兵器として「機甲兵装」というパワードスーツが普及している世界での、様々な事案に対応するため特設された警察組織の物語。

警察内部での軋轢や闇を描くパートが多く、登場人物が魅力的で、内容や文章は硬質なのにライトな読者でも楽しめるエンタメ小説です。


「機龍警察」は、タイトルに通巻番号がなく、どの順番でどれから読めばいいか、まったく知らない方からしたら迷いやすいシリーズ。

さらに昨今、完全版などが出たため、どれからどう読めば……何が違うの……? という方も増えているはず。


というわけで、機龍警察をこれから好きになるかもしれない方向け、読む順番解説。

あと暗黒市場以降は文庫化しないと思ってたほうがいいよの話。

 
■■1巻目 「機龍警察」
 ファンの間で「無印」と呼ばれる一作目。下記種類があります。
  
・「機龍警察」 無印文庫
  初代機龍警察1作め本編。
・「機龍警察 完全版」 ハードカバー
  ↑の本編に加筆修正をくわえ、さらに著者による自作解題、インタビュー、考察等の企画を巻末に収録したもの。
  自作解題には2作目以降の話も含まれますので、ネタバレ注意です。
・「機龍警察 完全版」 文庫
  ↑の完全版ハードカバーから、本編のみを文庫化したもの。(企画は入っていません)
(・「機龍警察」 通称サイバーハンド版 文庫)
  (おまけ。初代より前、超初期の機龍警察文庫。でかい機械手の表紙。違いを楽しみたいマニア向け)
 
 注釈を見て頂ければわかるかと思いますが、未読の方にオススメなのは「機龍警察 完全版」文庫
 著者がブラッシュアップした本編1作めがまるっと読めます。
 「この作品をすごく好きになる予感がする!!!! 企画も読みたくなるに違いない!!!」と感じてる方は、最初から「機龍警察 完全版」ハードカバーを購入し本編だけ読んで、シリーズの続きを読んでから企画部分を読む、というのが一番経済的。オススメ。
 
 
■■2巻目 「機龍警察 自爆条項」
 
・「機龍警察 自爆条項」ハードカバー
  真っ白な表紙のハードカバー、最初に刊行された自爆条項。
・「機龍警察 自爆条項」文庫上・下
  ↑のハードカバー版の文庫版。ボリューミーなので分冊です。
・「機龍警察 自爆条項 完全版」ハードカバー
  ↑の自爆条項本編に加筆修正を加え、短編集「機龍警察 火宅」収録作品の自作解題を収録。
・「機龍警察 自爆条項 完全版」文庫上・下
  無印完全版同様、自作解題ぬきの完全版本編のみの文庫。
 
 無印版同様です。
 内容を考えると初代ハードカバー表紙の趣深さはめっちゃエモいのですが、この後の短編集の解説を読みたければ完全版ハードカバーでどうぞ。(短編集「火宅」を読む前に読んだらネタバレ的によくないと思います、とっておきましょう)
 
 
■■3巻目 「機龍警察 暗黒市場」
 
・「機龍警察 暗黒市場」ハードカバー版
 
 三作目は、一択です。
「文庫になりますか」「ならないでしょう」(版の変更は加筆修正の最大チャンスであるが、暗黒市場以降は大幅な本文修正の必要性がないため新作執筆の方に重きを置くことになる……というようなニュアンスだったような……違ってたら申し訳ない)の会話を作者先生様とファン交流会にて交わしたのはもう数年前になりますので、文庫化しないとは言い切れないし、するとも言い切れないです。
(※追記 先生御本人のブログでは、文庫化のための加筆等に三週間はかかるが現状一年以上はそんな時間を取れないとのこと。先生は連載を複数抱えたりお忙しく、新作でスケジュール埋まること必須なので、まだまだあと数年単位で文庫化は難しそうです。)
完結まで文庫化しない、むしろ永久に文庫化しないという事があってもファンは驚かない、という感じのアレです。
二作目まで読んじゃったら、続き読みたいよね……? ということでがんばってください。
ちなみに、「完全版」にはならないことを作者先生が明言済です。安心してお求め下さい。
 
 
■■4巻目 「機龍警察 未亡旅団」
 
・「機龍警察 未亡旅団」ハードカバー版
 
 四作目です。三作目に同じく。
 
 
■■「機龍警察 火宅」
 
・「機龍警察 火宅」ハードカバー版
・「機龍警察 火宅」文庫版
 
 こちらは短編集です。 本編進行中に、ぽつぽつと様々な雑誌で掲載された作品をあつめたもの。雑誌連載からハードカバー版になるときに改稿は済んでいるので、こちらは既に文庫化しています。
 4作目を読む前に読んでも大丈夫なものも多いですが、5作目に繋がる短編がラストに入っていますので、個人的にはここで読むのをオススメしたい感じです。
 
 
■■5巻目 「機龍警察 狼眼殺手」
 
・「機龍警察 狼眼殺手」ハードカバー版
 ミステリマガジン2016年1月号~2017年5月号に連載されていた五作目。
 現時点での最新刊です。
 
 
 お金と書棚に余裕がある方は、完全版ハードカバー版で揃えれば間違いはないです。
お金だけ余裕がある方は、Kindle他電子書籍で全部出てますので無問題です。
(完全版は、ハードカバー版も文庫もそれぞれ電子配信されています)
お金ないけど読みたい方は、情報を精査したり図書館行ったりしましょう。
 
 「巻を重ねるごとに最高傑作が入れ替わっていく」を体験して下さい。
 
 後の作品で前の作品のネタバレは……まぁちょっとしかないといえばないので、違う順番で読んでも大丈夫だとは思います。たぶん。 でもこれだけは。
「狼眼殺手」は「自爆条項」を読んでから! のほうが楽しめます!
 
 
 機龍警察による良い読書体験をおいのりしております。
 著者の月村了衛先生は様々なベクトルの様々な作品を発表しているので、そちらもオススメですよー

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